quote:2005年3月は,個人情報大漏洩の頂点として,後世に名を残すかもしれない。3月だけで,カリフォルニア州立大学は5万9000人の学生,教授,スタッフの,ボストン大学では12万人の同窓生の,氏名,住所,社会保険番号が外部侵入者に奪われた。靴小売業のDSW社で10万人以上,チョイスポイント社では15万人以上の顧客情報が,バンク・オブ・アメリカ社では120万人の政府従業員の財務データを記録するバックアップテープがなくなったと報告した。給料支払いの依託を受けるペイマックス社は,顧客2万5000人の給与記録を暴露してしまった。ジョージメイスン大学でも外部侵入者によって3万人の学生,教授,スタッフの個人データがアクセスを受けたのを謝罪した。これらで重要なのは,どれもオンラインでの侵入による盗難ではないということだ。
日本でもたぶんいろいろと個人情報流出しました報告があったような気がする,きちんとみてないけど。たぶんニュースサイトを漁ればすぐみつかるだろう。The Registerの見解では,レンガとモルタルの建物のなかでは個人情報が被害に遭うことはないと安心している人が多いが,んなことあるわけないと云う。ハッカーやクラッカーがウェブサーバーに侵入して顧客のデータを盗み出すなんてこは上記の山ほどある個人情報漏洩のなかになく,ほとんどは外部からの侵入者がパソコンに直接触って持ち出したり,管理者が持ち歩いていたデータが失われたり盗まれたりしてるだけだ。
ネットワーク経由でデータを盗まれるなんて,よほどのバカかマヌケでないとしてしまうことなんてない,ってこと。思い返せば日本で個人情報漏洩のトップランカーとなっているヤフーBBのもそうだ。ACCSのように,ほとんどブラウザだけで情報を持っていかれましたなんてのはよっぽどマヌケな変態集団だったという証拠である。
で,あれこれある個人情報漏洩にどんな対策を取ればいいのかになるんだけど,結局のところ対策と呼べるような対策などない。個人情報保護法案なんてのもあるらしいけど,なんの役にも立たない。結局のところ,この相手にならこの情報を渡してもいい,間違ってそれが漏洩されてもまぁ仕方ないと諦められる,というなら情報を渡せばよいと云うことだ。つまるところノーガード戦法でしかないんだけど,まともな相手かどうかは普段の動きやネットワーク上にある話をきいてればわかるでしょ。テメエで渡しておいて,あとで文句云ったって遅いってことに尽きるのだが。
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